■耐震診断の必要性
わが国は、世界でも有数の地震国で、世界中の地震エネルギーの約10%が日本近辺で放出されており、これまでも数多くの地震被害が発生しています。
特に、平成7年(1995年)に発生した阪神・淡路大震災においては、6,000人以上の住民が犠牲になり、10万棟以上の住宅が全壊するなど、その被害は甚大なものでした。
また、この地震では、昭和56年(この年に建築基準法が改正され、地震に関する基準が強化されました)以前に建てられた建物の多くが、多大な被害を受けたことがわかりました。
これらの建物は、建てられた当時の建築の法律には適合しており、すぐに取り壊したり、建て直すという義務はありませんが、地震による被害から人命や財産を守るため、耐震診断(耐震性のチェック)を行い、耐震性能が不足しているようであれば補強工事(耐震改修)を行うことが必要です。
特に、下記に掲げているような、
●住宅が建築された時期
●地盤の状況
●建物の基礎の構造
●壁の配置
●建物の形
●建物の維持管理
という点が建物の耐震性に大きく影響することがわかっており、これらの項目についていくつか該当するようであれば、建築士など、建物の耐震性をチェックできる専門家によって一度「耐震診断」を受け、必要な補強工事を行うことが重要です。
■耐震診断
耐震診断は、その耐震補強を的確に行うための、重要な手順です。
建物の規模も形態も、建築年数も使用状況も異なる一般住宅には、全ての住宅に一律に通用する補強工事は存在しません。それぞれの家屋の状況を正確に把握し、その弱点を明らかにしたうえでなければ、適切な補強工事を行うことはできないのです。
当社が行っている耐震診断は、建設省(現在の国土交通省)が作成した木造住宅の耐震診断システムに準拠しています。
基本的には建物の形状及び壁の量や配置状況などから地震に対する抵抗力の大きさを計算しますが、併せて基礎や地盤の状況、建築後の経過年数や老朽化の状態を加味して、総合的に耐震強度を判定します。
具体的には、一級建築士の資格を持つ技術者が、所定の調査票にもとづいて綿密な現地調査を実施、そのデータをコンピューターに入力して判定を行います。
なお、株式会社住快では、この耐震診断を有料にて、行わせていただいております。
これは、診断を第三者的観点で冷静に診断し、「補強工事をするためのサービスとしての診断」という業者主体の考え方を排除し、「そもそも、補強の必要があるのか。」という、お客さまの立場に立った診断をさせていただくことを目的としているからです。
また、ご要望により、診断結果において、耐震補強の必要性が認められた場合、お客さまのご予算ならびにプロとしての必要性の順位を考慮して、適切な「耐震補強工事提案書」を提出させていただきます。
■耐震補強工事
予算内で効果の高い補強工事を行う 補強の優先順位は
「効果が高く」
「費用が安い工事」
から順番にご提案いたします。
また、ご自身の家に対する考え方、
「あとどれくらい住みたいか」
「かけられる予算」
などによっても、補強のレベルは変わってきます。
命だけは守れればいいという方から、地震後も少しの補強で住める程度の家にいたい方など、
補強のニーズも様々です。
【工事方法例】
1.筋かいを入れたり、構造用合板を貼って強い壁の量を増やす方法
2.壁の量を増やし、かつ、バランス良く配置する方法
3.土台・柱・筋かいなどの接合を、金物等を使って堅固にする方法
4.腐ったり、シロアリ等による被害のある部材を取り替える方法